Discover 江戸旧蹟を歩く
 
 お歯黒どぶ(鉄漿溝)

  新吉原遊郭は田んぼの中につくられ、お歯黒どぶの内側が盛り土され、
  周囲より一段と高くなっていました。
  お歯黒どぶの遺構を見て歩きます。


○お歯黒ドブ跡北角 台東区千束4-49

 千束4-50と千束4-49の間の一方通行路がお歯黒どぶで、お歯黒どぶの北角となります。
 お歯黒どぶに沿って吉原大門に向かって歩きます。
 お歯黒どぶに入ってすぐに右手に階段があります。千束4-49と千束4-40の間です。
 大谷石の石垣はありません。

   


○台東区立吉原公園 台東区千束4-40-6

 吉原公園の出口も階段になっていますが、石垣はありません。

     

<大文字楼の跡地>

 吉原公園は、大文字楼の跡地です。
 大籬(おおまがき、格式の高い娼家)は3軒あり、
 「大文字楼」「角海老楼」「稲森楼」が吉原の三大妓楼でした。
 大文字楼は、昭和19年の東京大空襲の数週間前に、工場の宿舎として解体移築されました。
 跡地は吉原公園となりました。

     

<お歯黒どぶの跳ね橋>

 お歯黒どぶにかかる9カ所あった跳ね橋のひとつはここにありました。
 跳ね橋が描かれている図がありました。

  

「東都名所 新吉原五丁町弥生花盛全図」(広重)

 広大な敷地と周囲に巡らされた「お歯黒どぶ」の一部が描かれています。
 2枚目は、右下のお歯黒どぶの跳橋の抜粋です。

   

<榎本稲荷跡>

 郭内四隅の守護神の4つの稲荷のうちのひとつ、榎本稲荷は、公園の砂場のところにありました。

  

(参考)
 「大正・吉原私記」(シリーズ大正っ子)波木井皓三著 昭53年(1978)青蛙房
 「大文字楼」楼主の息子として生まれ、吉原で育った著者の作品です。

   

 吉原弁財天には著者の母親「波木井長」のお名前があります。

  


○大谷石の石垣 台東区千束4-33

 吉原公園の先の小路、お歯黒どぶに面した階段に、
 大谷石を積み上げた石垣が残っています。

    


○仲町通りを横切る

 大谷石の石垣を過ぎると、仲町通りに面した吉原交番(千束4-33)の横に出ます。
 ここから先は道路としては直線で繋がっていないので別ルートを行きます。
 交番を左折し大門交差点に向かい、最初の右手の道に入り、すぐに右に曲がり五十間道の裏道に出ます。

 最初の右手の道  すぐに右に曲がると五十間道の裏道
   


○五十間道の裏道

 吉原神社に掲示の「吉原神社及新吉原氏子全図」(明治40年)の抜粋です。
 五十間道の裏道は、かつてはお歯黒どぶだったことがわかります。

  

 お歯黒どぶは、山谷堀手前まで向かい、そこから山谷堀と併行して田町方面へ流れています。
 ガソリンスタンドの裏道が、かつてのお歯黒どぶです。

     

<大谷石の石垣>

 階段があるので、五十間道より低いです。大谷石の石垣です。

   

<階段>

 下の駐車場と上の駐車場には、階段があります。

  

<神社マーク>

 神社マークがここにもあります。

  

<鋭角に曲がる>

 突き当たったら道は鋭角に曲がって、花園通りへ真っすぐに向かいます。

    


〇伏見通り裏道(五十間道〜花園通り)

 伏見通りの1本裏の道がお歯黒どぶ跡となります。
 右の建物は、高いところに建っています。
 左の建物は、道と水平に建っています。
 以前、古い木造家屋がありましたが、解体されています。

    

<マスミの裏>

 マスミの裏側と、もう一軒のカフェ建築の裏。

     

<花園通り>

 花園通りに出ます。
 花園通りから見たところ。

    


○花園通り

 花園通りは、階段を2か所確認できただけです。

     

<階段> 台東区千束4-18-3

 駐車場の脇道へ上がるところが階段になっています。

  

<階段> 台東区千束4-26-9

 階段があり、遊郭が一段高くなっているのがはっきりわかります。

  


○西河岸

<大谷石の石垣> 台東区千束4-47

 大谷石の石垣が若干残っています。
 西河岸でお歯黒どぶの石垣が残っていたのはここだけでした。
 
   

<メゾン東洋> 台東区千束3-30-11

 京町一丁目入り口に立つレトロアパートです。

  


○西河岸→水道尻→羅生門河岸

 西河岸から水道尻を経て、羅生門河岸へお歯黒どぶを進みます。

<階段>

 台東区千束4-30と千束4-32の間の一方通行路のお歯黒どぶに入ります。
 すぐ左手に階段があります。ここがお歯黒どぶだったのが明確です。

    

<段差のある駐車場>

 駐車場が上と下とで段差になっています。
 神社マークが気になります。

    

<大谷石の石垣> 台東区千束3-28

 上部はコンクリブロックですが、下部分に大谷石の石垣が残っています。
 お歯黒どぶの中でも、ここは大谷石の石垣が一番多く残されています。

    

<水道尻> 台東区千束3-27

 水道尻に出ます。またもや神社マーク。
 水道尻から先は、お歯黒どぶをはさんで左手は遊郭、右手の先からは車善七の屋敷だったところ。

    

<保育室こどもの城> 千束3-27-3

   

<台東区立京町公園> 台東区千束3-26-18

 上方から移ってきた人たちが営業していた遊郭があったことから「京町」の名がついています。

    

<石垣> 台東区千束3-26-12

   

<花園通り>

 花園通りに出ます。
 花園通りに出る手前の大衆酒場「新富士」は閉店しているようです。

   


○神社マーク

 他の地域でも、このような神社マークを見かけます。
 他の地域では、立小便と犬の小便を、心理的に防止することを期待しての神社マークでした。
 ここもそういう理由かもしれませんね。

    


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